憧れの東南アジア最高峰へ!熱帯雨林、壮大な花崗岩の一枚岩、ヴィアフェラータに挑むキナバル山

行ってきました!

6月9日(火)

川井田理加

憧れの東南アジア最高峰へ!熱帯雨林、壮大な花崗岩の一枚岩、ヴィアフェラータに挑むキナバル山

今回はマレーシア・ボルネオ島にそびえる東南アジア最高峰、キナバル山(4,095.2m)に添乗してきました。

総勢8名様の少人数チームで挑んだ今回の山旅。熱帯雨林のジャングル、山頂付近に広がる圧倒的なスケールの「花崗岩の一枚岩」、そしてスリリングな空中散歩「ヴィアフェラータ」まで、コタキナバルの地で興奮と感動をたっぷりと味わうことができました!!

熱帯の風とローカルの味

コタキナバル空港へ降り立つと、一気に熱帯特有のムワッとした温かい空気に包まれます。現地スタッフさんが出迎えてくれ、専用のハイエースに荷物を積み込んでいよいよ旅がスタートです。

まずはローカル色豊かな屋外フードコートでのランチタイム。
機内食でお腹いっぱいだったはずなのですが、「現地ならではの食事をしっかり食べて、翌日からの登山に備えねば!」と思うと不思議と胃袋は広がるものです。
それにしてもボルネオ島は暑い! 日本はまだ梅雨入り前の本格的に暑くなる前の気候だったため、現地の蒸し暑さと強い日差しには驚きました。
屋根と扇風機がどれほどありがたかったことか……。

私は料理をお客様とシェアして、現地スタッフおすすめの「チキンライス」とさっぱりめの麺類をいただきました。しっとりしたチキンにパラパラのライス。これは間違いない美味しさです!ショウガの効いた薬膳風のスープも独特の深みがありました。
他のお客様も、カルボナーラやチキン系、ピリ辛の麺類など、それぞれ思い思いのメニューをチョイスされていました。
料理が提供されるまでの時間も、まさにゆったりとした「ボルネオ島時間」。急ぐ旅でもないので、食事を楽しみながら、マレーシア、ボルネオ島のことキナバル山のことやインフラ事情を現地スタッフさんから教えてもらいました。
例えば…
キナバル山の麓に住む民族は人が亡くなると、その魂はキナバル山の山頂へ行き、そこに生えている苔を食べて過ごすと信じていること、山頂を汚したり神聖な領域を冒涜したりすることを激しく嫌っていること。
また、マレーシア本土はイスラム教を信仰する方が多いため、現地のトイレにはトイレットペーパーの代わりに「洗浄用のホース(シャワー)」が備え付けられているのが一般的です。そのため便座や床が水浸しになっていることも多く、ペーパー持参はマストになること。
ボルネオ島はキリスト教信仰が多くそこまで食べるものにも厳格ではないこと。
ほかにも、最近は共働きが増えて子供の数が減っていることなど、マレーシアの社会情勢についても興味深いお話を伺いました。
日本との違いや新しい見識を得られるのも海外ツアーならではですね。

ゆっくり食事後は、地元のスーパーマーケットへ。
ここでは登山中の行動食だけでなく、ボルネオ島ならではのお土産を選ぶ時間としても大いに盛り上がりました!
皆様、現地スタッフさんにおすすめを聞きながら、スナック菓子や濃厚なマンゴーのお菓子などを熱心に探されていました。
お菓子の種類の豊富さと、パッケージのボリュームにはびっくりです。
あまりの暑さに、アイスを買って食べたりもしました。

続いて立ち寄ったナバルウィークリーマーケットの展望台で記念撮影。
明日からの登山に備えてキナバル国立公園で入山手続きを済ませ、初日の宿「フェアリーガーデンホテル」へチェックインしました。

夕食の中華円卓を囲みながら、和やかに自己紹介タイム。
それぞれの意気込みや登山歴を伺ったのですが、なんと今回、過去にYamakaraのキリマンジャロツアーに参加された方が3名、すでに申し込まれている方が2名(今回はその前哨戦とのこと!)、その他の3名も海外登山を何度も経験されている強者ばかり。
海外登山が初めてなのは、なんと添乗員の私だけ……!
お客様全員が人生においても登山においても大先輩で、ただただ尊敬の念でいっぱいになりました。新しいことに挑戦し続ける姿はかっこいい!

キリマンジャロ登山の思い出や意気込み話でひとしきり盛り上がりながら、夕食をいただきます。
現地のご飯は野菜炒めが多く、あんかけのようなとろみがついた味付けが頻繁に登場しましたが、ほぼ全員できれいに完食。しっかり食べる体力がのちの登山を支えるのだと、このとき改めて実感しました。

キナバル山では、ポーターに預けられる荷物が「1名あたり5kgまで(超過は追加料金)」という制限があります。また背負う荷物もなるべく軽く必要なものだけを持っていくなど、お客様同士で協力し合い、お部屋で荷物を仕分けながらハンディスケールで計量を行い、翌朝の出発に備えました。

16:00の壁!ペンダントハットへの挑戦と厳しいルール

翌朝、いよいよ本格的な登山が始まります。今回私たちをガイド&荷物を預かってくれたのは、なんと75歳の最高齢レジェンド!現地でも深く敬われている彼に導かれ、標高1,866mのティンポホンゲートから一歩を踏み出しました。荷物預けやランチボックスの配布、ガイドとの合流、キナバル国立公園事務所からのゲートまでの移動を経て、朝の8:30過ぎスタートです。

キナバル山は、標高ごとに目まぐるしく変わる豊かな植生が最大の魅力です。ルートはほぼ階段が続く直登ですが、道中では巨大な食虫植物「ウツボカズラ」など、珍しい高山植物が次々と姿を現し、私たちの目を楽しませてくれます。
今回はお客様の体力や希望に合わせて「ロングコース」と「ショートコース」の2チームに分かれて行動しました。現地のガイドスタイルは日本とは少し異なり、「後ろから温かく見守るスタイル」で全体の安全をガッチリ確保してくれます。もちろん必要時は先頭に立ちリードしてくれます。登山道でのすれ違いでは『おはよう』"スラマッパギ"『ありがとう』"トゥリマカシ"覚えました!

初日の大きな目標は、標高3,270mにある山小屋「ペンダントハット」への到着です。実はキナバル山には海外ならではの厳しいルールがあり、**「16:00から始まるヴィアフェラータの事前説明会」に1分でも遅れると、翌日のアクティビティへの参加権が剥奪されてしまう**のです。
道中、標高が上がるにつれて疲れを見せるメンバーもいらっしゃいましたが、「大丈夫、みんなで頑張りましょう!」と声を掛け合いながら一歩一歩前へ。2チームに分かれての行動でしたが、見事に全員が制限時間前に無事チェックインをクリアしました!
山小屋に到着していただいた甘い「マレーシアン・ホワイトコーヒー」が、疲れた身体にじんわりと染み渡る瞬間は格別でした。
一息ついたのも束の間、すぐにヴィアフェラータの説明会がスタート。
一通りの説明と安全確保の演習を受け、明日のイメージを掴みます。

その後は隣接するレストハウス「ラバンラタ(Laban Rata Resthouse)」で夕食バイキングを楽しみました。
マッシュルームスープやチキン、ラム肉、炒め野菜、甘めの焼きそば、スイカなどが並び、他の登山者も大勢いて日本の山小屋の食堂のような賑やかな雰囲気です。
テラスからは雄大な景色が見渡せ、最高のロケーションでした。
しかし、私たちは翌朝2時過ぎには出発しなければなりません。
「早く寝なくては!」と食事を終えたら急いでペンダントハットに戻り、それぞれの寝床に就きました。睡眠時間は各々だいたい4〜5時間ほど確保できました。

深夜のアタック、興奮と疲労MAXの「ヴィアフェラータ」

翌日は深夜1時過ぎに起床。宿で簡単な朝食を摂り、星空の下、ヘッドライトの光を頼りに最高峰「ロウズ・ピーク」を目指す山頂アタックの開始です。
ここでも「サヤット・チェックポイント」を既定の時間までに通過しなければならないという「カットオフタイム(制限時間)」の壁が立ちはだかります。
「全員で登頂して、ヴィアフェラータも絶対にやろう!」を合言葉に、前日の疲れが残る足を進めました。
暗闇のなか、前日から続く急な階段ゾーンを突破し、いよいよ花崗岩の一枚岩ゾーンに突入します。

少しずつ暗闇がブルーへと移り変わり、朝陽が昇る期待感が膨らみます。
この時間にしか味わえないグラデーションの空の色は本当に格別です。
徐々に赤く染まる花崗岩や峰々、どこまでも続く灰色の大地――。
遮るもののない広大な一枚岩の世界が眼下に広がり、山頂(4,095.2m)に立った時の感動は、言葉にできないほどのものでした。

素晴らしい景色ですが、ヴィアフェラータ開始地点の最終カットオフタイムもあるため、山頂に浸っていられる時間はあまりありません。
余韻に浸りつつも、次へと足を進めます。
大人気の山なだけあって山頂は激混み!順番待ちをして記念の写真を撮影した後は、急ぎ足でガイドの後に続き、慎重に下ってヴィアフェラータの開始地点へと向かいます。
時間はかなりタイトでしたが、ルートを熟知した75歳のベテランガイドによる完璧なルートファインディングとサポートのおかげで、無事に間に合いました!!
いよいよ世界最高峰のロープアクティビティ「ヴィアフェラータ」の時間がスタートです!
ヘルメットとハーネスを装着し、記念撮影をしながら進みます。
足元に数百メートルの高度感を感じながら、むき出しの巨大な岩肌を横断したり、ワイヤーの上を歩いたり、ハシゴを上り下りしたりと内容盛りだくさん。
ロングコース(上級)に挑んだ男性陣は、難関ルートを驚異的なスピードで走破!途中、ショートとロングが交差するエリアでは、お互いに「おーい!」「頑張って!」と励まし合い、手を振り合いました。
合流後もその話題で盛り上がり。
ショートコースのメンバーも、幻想的な岩壁の中、お互いのロープの間隔を意識し、一心同体となって声を掛け合いながら進みました。
このスリリングな空中散歩を終えて山小屋へ戻ってきた時は、達成感に包まれました。……が、ここからさらに下山しなければならないので、まだまだ終わりません。すでに出発から9時間が経過しています。
1時間弱の食事と荷造り休憩を挟み、いざ下山です。

キナバル山の最後の洗礼、熱帯の大雨

お世話になったガイドやポーターたちと記念撮影を済ませ、お昼過ぎに山小屋を出発して下山へと向かいます。しかし、ここで最後の手荒いドラマが待っていました。

下山の終盤、残り3km付近に差し掛かったところで、熱帯地域ならではの強烈なスコール(大雨)に遭遇!
激しい雨があっという間に登山道を川のように変えていきます。
雨は一向に止む気配がなく、下山する頃には雷まで鳴り響き、本当にドキドキの連続でした。
まさにキナバル登山の「最後の洗礼」です。
それでも誰一人ケガをすることなく、お互いに励まし合いながら一歩一歩進みました。
全員が無事に下山ゲートへたどり着いたとき、今度こそ心の底から「やりきった!」という安堵感と達成感が押し寄せました。

達成感と、次への自信につながる夜

下山後はコタキナバルの街へ戻り、ホテルへチェックイン。
皆様、疲労はMAXで睡眠不足のはずですが、ホテル到着後すぐに街の水槽のあるシーフードレストラン「New Gaya Restaurant」へと繰り出しました!
冷えたタイガービールで乾杯し、テーブルに並ぶ美味しい料理の数々をいただきました。
大変だった大雨のハプニングや、スーパーでの楽しいお買い物、現地での制限時間にハラハラした思い出も、お酒を酌み交わしながら振り返りました。
「次はキリマンジャロだね!」「あなたなら絶対に大丈夫!!」
今回のキナバル登山をやり遂げたことが、皆様の次なる目標や大きな自信につながっているのを肌で感じ、嬉しくなりました。

心からの御礼

東南アジア最高峰・キナバル山(ヴィアフェラータ)5日間ご参加いただいたお元気な大先輩の皆様へ、尊敬しかありません!
皆様と一緒に山行の中で感じたこと、経験したことは、すべてが貴重でかけがえのない宝物です。
山頂からの景色はもちろん、山頂に立った皆様の姿は、ご来光に勝るくらい眩しく輝いていました。
時にはそれぞれ苦しい時間もありましたが、飛行機や空港、バスでの移動時、そして食事の際など見せてくださる穏やかな笑顔と言葉に、どれほど救われたか分かりません。
ご参加誠にありがとうございました。

私のおススメ☆キナバル山

キナバル山は、個人的には移動や食事、気候の面でも比較的適応しやすい山だと感じました。心配していた高山病についても、私とお客様1名が少し頭痛を覚える程度で、大きな症状が出た方は一人もいませんでした。登山道は多くの登山者、ポーターが行き交い、迷い用のないほぼ一本道です。
不規則で急な階段など登り下りがあり、ヴィアフェラータ含むので15時間ほど歩き続ける体力があればご参加いただけると思います。
「海外登山は初めて!」という方はもちろん、「日本の高い山にはまだ行ったことがない」という方でも、しっかり準備をすれば挑戦しやすい名峰です。

私にとっても、今や一押しでおすすめしたい山となりました!
日本の山では決して味わえない圧倒的なスケール感、そしてスリリングな岩壁をやり遂げたその先で得られる大きな自信は格別です。
ぜひ皆様も、この東南アジア最高峰の頂で、人生最高のドラマを体感してみませんか?

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